2013年3月12日火曜日

【お知らせ】ブログを移します

3月10日をもって奈良市民放射能測定所は奈良市学園前に開設いたしました。
そのため、奈良・市民放射能測定所設立準備会のブログは新しいホームページへ移す事になりました。

新しいホームページはこちら
【奈良・市民放射能測定所】
https://naracrms.wordpress.com/

問い合わせは naracrms@gmail.com まで。

2013年2月22日金曜日

空間線量が微妙に高かった日。「雪溶かし水」をつくる!

【報告者:ふた】

こんにちは。この冬は、がっつり雪が降りますね。

測定員見習い、ふたでございます。
19日火曜日も雪でした…

うちでは毎日、空間線量を測っているのですが、
この日は通常の平均値よりも若干、高かったです。
庭の地面の上1m高さで0.073mSv/h(通常は 0.05)、
0m高さで0.098mSv/h(通常は 0.06)。一時は0.105mSv/h  を指しました。
これは、珍しいこと。
でもこの景色のどこにも放射性物質は見えない。ちーとも、わからない。
なので、雪を測ってみることにしました!!

降り始めの、土に触れていない雪をベランダその他から採取。
可愛いので捨てずにとっておいたカップめんの容器ですくいました
(コープ自然派で買った、バガスカップだにゃ)
…真っ白の、しゃりしゃりかき氷だにゃあ!
近所のおばちゃんが、雪を真面目に集めている私と目が合って、
一瞬 ひっ と凍っておられましたが!!
にっこり笑って強引にあいさつで流す!!

内心では、「この雪、実は汚れてね…?」と、あんまり穏やかでもなく。



溶けろよ溶けろ雪だるま♪
測定機に冷たい雪や水を入れてはいけません。熱いのもだめ。
普通の温度に温める OR 冷ます、これ鉄則!

結局このやりかたではなかなか溶けず、ボウルで湯せんに。
ビニール袋の端っこが、熱したボウルに ちゅいん と触れて、
袋に小さな穴が空き、水がしぴぴぴぴーっ と漏れだして
あわわあわわと受け止める、というアクシデントつき。

 
ペットボトルに移して無事測定所に着いた!
 



詰め詰め。
必殺、外側からグサグサ割り箸。液体はこのやり方で攻略だにゃっと。

30分測定の結果…出ませんでした。
グラフはバックグラウンドに沿う形になり、ピークはなにも立たず。
「計数率」もすべて0.00%。すっきり~。

今回  空間線量が上がったのは…
空気中にはラドンがガス状で普通に存在しているのですが…
それが雨や雪にくっついて落ちてきます。
ラドンは鉛214やビスマス214 (ラドンの娘核種)に変わります。
そのときにガンマ線が出るのですね。
もしもその瞬間を測定器でとらえたなら、
セシウム由来ではないガンマ線を計測、ということになるのです。
セシウムがほんまにあるのか、普通に環境にあるビスマス・鉛を
拾っただけなのか、しっかり見分けなくちゃ、です!!
うがー。

翌日には雪はすっかり消え去り、空間線量も通常通りに落ち着きました。
あわれ はかなし、雪だるま。
「雪解け水」ならぬ「雪溶かし水」の残りも、流しに  じゃー。
終わり♪

2013年2月19日火曜日

京都・市民放射能測定所四条烏丸測定室訪問記♪

【報告者:ふた】
 
京都・市民放射能測定所の四条烏丸測定室が2月16日開所式を迎えられました。
京都のみなさんには日頃から、ご指導や検体のクロスチェックなど山ほどお世話になっています。そこで、ゆきこん・ふたのゴールデンコンビがお祝いにかけつけました!
おみやげは奈良の誇る銘酒「春鹿」……大、吟、醸。キラキラまばゆい

 




地下鉄四条からほんとにすぐの、便利な場所。
すてきな「自然食品のお店  らくなちゅらる」の奥が測定室。
さっそく店頭が気になる私たち!
意外にも(いや、さすが)ゆきこんはお店の品々とすでにおなじみでした。
前からいいなと思って欲しかった「森修焼」のポットなどさっそくチェック!


今回測定機と測定室をご提供されたプレマ株式会社の社長さんは、東日本大震災の一ヶ月後に福島県へ、空間線量計を持って入られ、ATMTEXの測定機を数台寄付されたそうです。
そのときに購入されたうちの一台が、今回ご提供されたものとのこと。
プレマ株式会社さんが扱っておられるものは、マクロビオティック、オーガニック。サステイナブル。
おいしそうなスープの瓶詰め(非常食にしてみようかなあ)、有機栽培リンゴジュース、優しい肌触りのオーガニックコットンでつくられた、タオルや赤ちゃんの肌着…。竹布のインナーも。
レジの横の籐かごには、「ピープル・ツリー」のチョコレート
原発事故で体調を崩された方が求める品もあるそうで、測定所スタッフの方が「自分も『プレマ』さんの品を購入していたのでここに測定室ができたことに縁を感じる」とおっしゃっていました。
食べ物や自然環境について真剣に考える方には、きっとお目当てのものが見つかると思います。ぜひ、お運びください。

11時にスタッフの方からのごあいさつではじまり。
測定に来られたお客様も含め、全員が語ってなごやかに。とはいえ、昨年12月13日、長岡京市の給食から25Bq/kgのセシウムが検出された話題も出て(市のHPを参照)、時代の厳しさを思わずにはいられませんでした。

奥森さんによるレクチャーをみんなで聞いて、測定開始。
ガラス戸の向こうはお店なのがわかりますか?



本日お勉強したこと…
○測定値の±の幅が非常に重要。
アトムテックス機は500ml分のものでも測れることについて、
○500mlの容器だと、シンチレーターの下面から出る放射能しか測れない。
1L容器ならば、マリネリ容器のくぼみにシンチレーターが入るので効率がいい。 

液体を測る時のポイント!!
酒、液体は大きめの袋を用いて外から割り箸でぐさぐさするとよい
この技は、東京で伝授されたとのこと♪
(私たちは、ちょうど奈良で豆乳を測って、内側でグサグサしてもビニール袋が虚しく  ぷに、っと持ち上がるばかりでちっとも空気が抜けない!!イライラ、という体験を味わったばかりでした。)

液体は上まで入れなくてもシンチレーターにまんべんなく当たっているとみなされるので、容器のきわきわまで入っていなくても大丈夫。
詰めたあとでビニール袋を内側にたくしこむよりも、袋の余り部分をぴらぴらっと外側に出しておいてふたをするほうがいい。
など。

全国の測定所のみなさまが、きっと苦労されたり、うまくいった!と喜んだりされているのでしょうね。私はまだまだ「測定員見習い」状態ですが、ひとつでも多く経験を積んでいきたいです。
測定の技と知識を惜しげも無く伝授してくださった、京都のみなさまに深く感謝です。
ほかにも、データの解析などについてたくさん、教えていただきました。
わ、ワシの頭よ!がんばれええ〜。


〈本日の測定〉
カツオたたき、みじん切りを500ml。
テーブルに置かれたディスプレイの大画面を見ながら、みんな真剣に見守ります。
でもやっぱりなごやか。こんなに深刻なことをやってるのに、笑顔で元気になるのが不思議。
みんな一所懸命です。


 
ほかにも、まだお勉強…測定器周辺の温度管理の話など。
○温度が一定でないと、測定の精度に関わってくる。
測定器周りにサーモスタットをつけて冬場は温めて、一定に温度管理している測定所がある、と伺いました。ううーむ、頑張らねば、ですね。

メモメモ、など頑張った自分へのご褒美兼、家族へのおみやげはこれ!
奈良での測定、や…る…ぞっ、と。
京都のみなさま、プレマ株式会社さま、ありがとうございました!


2013年2月15日金曜日

3月9日オープニング・セレモニーのお知らせ

奈良・市民放射能測定所は3月10日(日)に開所します。
阿部宣幸さん(福島から)と奥森祥陽さん(京都から)をお招きして
第1回の準備会を開催したのは、昨年の3月18日でした。
以来丸1年、ようやく開設の運びになりました。
 

開所日の前日の9日に下記の要領でオープニング・セレモニーを開催します。
守田敏也さんをお招きし、講演していただきます。
内部被曝や食品の安全に不安を抱く多くの市民と手を携え歩んでいける
測定所の充実・発展を願って、奈良での市民放射能測定所の開設を
ともに祝っていただきたいと思います。ぜひ、ご参加下さい。

日時:3月9日(土)10:00~16:00

場所:奈良・市民放射能測定所(医療問題研究会奈良事務所内)  
    奈良市学園北2丁目1-6 セブンスターマンション学園前103号
    (近鉄奈良線「学園前駅」北口徒歩3分)

内容:・準備会からの開設に向けての報告
    ・記念講演「低線量・内部被曝の危険性と市民放射能測定所の役割」  
           講師:守田敏也さん(フリージャーナリスト、岩波ブックレット『内部被曝』共著者)
    ・測定デモンストレーション
    ・祝!開設パーティー

参加費:500円(パーティー参加者は1000円)

お問い合わせ・申込み:090-6059-5202(辻本)

バレンタイン測定実習

【報告者:フタ】

参加者:  ジェントルマン辻本さん、Hさん、 みのる・フォン・きりまる、
まっつん&スーパーキッズ、ジョニーさん、グレートマザーゆきこん。

遅れて、ふた。

スペシャルゲスト:わんわんちゃん。(※人間です!)

午前中は、いろいろと調整作業。

京都市民放射能測定所Oさんアドバイスの、「やさしお(※1)」測定。
(※1)…「やさしお」とは、塩分(ナトリウム分)の半分を

カリウムに置き換えて作られた塩です(味の素)。

今日も今日とて測定実習!
測定品目は、
茨城県産蓮根 
②波照間島産黒糖
③国内産大麦の麦茶  
④有機豆乳(アメリカまたはカナダ産大豆)
⑤秋田県産清酒「秋田の雪」。
ちっともバレンタインぽくないラインナップでどうもごめんなさい
せめてココアとかならねー。


③について。今回の麦茶は、先日ブログにアップした
モクモクファーム」の古ーいのではない、新しいものです。
(前回のふる~いやつの様子はこちら

結果: 飲んでも問題なし。よ、良かった……。

年間を通じて麦茶を飲んでいる私にとっては、
とても重要な結果でした。測れてよかったです。
差し支えないとわかって、これで心おきなくがぶ飲みできます。
帰ったら、「がぶ飲みしようぜ!」と家族に言うぞー。

2013年2月14日木曜日

開所へ向けて下記のものを募集しています

【報告者:まっつん】

一雨ごとにあたたかくなってきたような気がします。
あと一ヶ月もすれば、測定所も本格的に稼働します。

そこで、開所・運営に欠かせないのが皆様からのご支援をお願いします。

以前のブログでもご案内しました募集している物品を再掲します。
「うちにあるよ!」という物がありましたらぜひご提供お願いします。
 
======================
 
・確保できている物
空間線量計、パソコン、温度・湿度計、食器棚、
本箱、靴箱、コート収納ロッカー、FAX電話機、
キッチン用机、パソコン用プリンター、タイマー
 
 
募集中のもの
冷蔵庫(小型)2台(検体保存用と一般用)
ディスプレー用テレビ
靴棚
文房具(クリップ・ボールペンなど)
プリンターEPSON PM-A700用のインク
A4用紙
測定用の使い捨てビニール手袋
トイレットペーパー
ティッシュ
古タオル(雑巾用)
手拭きタオル
台ふき
モップ(床用※8部屋あるんです…)
外掃き用箒と塵取り

===================

沢山の方々から、差し入れや物品の提供などをいただいて
奈良・市民測定所は少しずつ「測定所」らしい場所へと成長しています
引き続き、皆様からのご支援をお願いいたします

2013年2月8日金曜日

日曜日の朝、本日も測定実習

【報告者:ふた】

⭐日曜日の朝、本日も測定実習♩

通常は、まずバックグラウンドチェックをすることになっていますが…
本日は先ほどまで一晩かけた測定が続いていましたので、
バックグラウンド測定はせずに、そのまま測定に入ります。
(昨夜、CSKー3i〈みどり姫〉は夜なべで福島産りんごを測っていました。
結果は別に、アップされています。)

本日の検体は、ふたが持ち込んだ三重産の麦茶です。
なんと、2010年産。あわわ!!ふっ、古~。
弁解しますが、ふたんちではこういうのは極めて珍しい事態です
(ふたではなく夫が管理していますので)。
ここ数年、この生産者さんの麦茶を一箱(10kgほど)買って常備しているのですが、
一つだけ古いのが戸棚の奥に眠っていたのですね。    
2010年三重県産麦茶



きゃあああー!!見れば見るほど本当に2010年製。
タイムトンネルをくぐってうちの戸棚に現れたとしか思えないわああー。イヤ、イヤッ~。
でも、スタッフのMおじさまはその麦茶を抱っこして!お~よしよし、してくれました!
事故前の貴重で可愛い麦茶です…。
さて、この「検出されるはずのない」麦茶を、測ってみました。

①ビニール袋を入れたマリネリ容器を秤に載せます。重量をメモ。
②ビニール袋使い捨て手袋をはめて(すき間が空いていないか
 チェックするために、容器の下に鏡を敷くのがベター)、検体を詰め詰め!!
 すき間がないように容器を回してチェックしながら。
 割り箸でグッサグッサと刺して(ビニール袋を突き破らないように※)、さらに詰め詰め。
 指先でぎゅうぎゅう、少し盛り上がるのを閉じこんでしまうくらいに。
 でもあまり多いと測定器の蓋がうまく閉まらないから加減して。
③重た〜い蓋をがちょーん、と横方向に引き開けて、検体の詰まったマリネリ容器を
〈みどり姫〉に挿入。蓋をふ たたびふたが(くどい)がちょーん、と閉める。
④パソコンの「測定開始」をクリック!

30分待つのだぞ。
おしゃべり(いえ、真剣な検討事項を)しているうちに…
ぴちょん(おわったよ)、と〈みどり姫〉が教えてくれます。
あとは画面の指示に従いながら、印刷。保存は自動で行われるので必要なし。
⑤結果の解析。        

麦茶測定中のグラフ
 


[放射能濃度]Cs-137:不検出
                         Cs-134:不検出
                           K-40:    139.0 Bq/kg   ±     82.0 Bq/kg

[検出下限]   Cs-134:       6.6Bq/kg
                         Cs-137:      5.4Bq/kg
                           K-40:      67.9Bq/kg

[計数率]      Cs-134:     0.00CPS
                        Cs-137:     0.01CPS
                           K-40:      0.14CPS

セシウムは「不検出」と表示。
グラフのピークは、カリウムしか出ませんでした。
「見たまんま」あ、そ、不検出…と、あっさり終えてしまいたいところですが。
ここでひとつ考えよう!みなさまもいっしょにレッツ《解析》!!

『非電化工房』製のCSK-3i ヨウ化ナトリウムシンチレーターは、検出下限値以下は「不検出」と表示されます。
これがつまり、
🔵放射性セシウムが「まったく含まれない」から「不検出」なのか
🔵検出下限値以下だから不検出なのか
どっちなのでしょう?

この場合にヒントとなるのはCPS[計数率]の値です。
CPS[計数率]とは…1秒間当たりのガンマ線のカウント数。
CPSの数字がある場合は、何らかのガンマ線をひろっていることになります。
そうであれば、
🔵ごく微量のCs-134やCs-137があるのか?
🔵バックグラウンドの変動の影響か?
🔵他の放射性核種の影響か?
これらが考えられます。

今回の麦茶のCPS(計数率)は、ほぼゼロです。Cs-137(半減期30年)のほうで0.01出ていますが、今回の麦茶が2010年産ということもあり、30分測定でよしとして、長時間測定にはしません。

ひとことで「不検出」といっても、「あります」「ないです」とパッキリ単純に片付けてしまうことはせず、検出下限値とCPS(計数率)、検体の情報も合わせて判断していくのが、より実態に近いかたちになるのだろうと思います。
この曖昧さあるいは奥深さが、放射性物質あるいは原子レベルの物体を相手にする…しかもそいつらが食品にまぎれこむ、くっついてくるということの厄介さの一面ですね。
やはり、とんでもない。
測定の経験を積んで、判断の確度をあげていくことで対処していくしかありません。

というわけで今回は、古~い麦茶を安心して飲むとしましょうか。
立ちあってくださった経験ある測定員さんは、「それ大丈夫なんですか…?(別の意味で。)」と、心配そうに言ってくださいましたが、いいの。香りはともかく、色は出るわよ〜

次なる検体は三重県産米麹!本日は三重県特集になりそう。
いくぞ〜千本ノック!

(指導:京都・市民放射能測定所

※ポンジュース(ロット番号が「IB」)を測定するときに割り箸でビニール袋をグッサグッサした結果…
何が起きたかはご想像のとおり♩(オレンジの悲劇)